2018
03.06

VisitKinosakiで実施する、新しい広告キャンペーンの戦略を全て公開します

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WEBマーケティングチームの武田元彦です。普段はデータ活用・マーケティングアドバイザリーが専門のDataStrategy株式会社という会社の代表を務めております。

VisitKinosakiではWEBマーケティングに注力しています。以前WEBマーケティングチームを紹介する記事を書きましたが、今回はWEBマーケティングチームが新たに作成した広告キャンペーンの戦略を公開します。ぜひみなさんも広告を設計する時の参考になればと思います。

キャンペーンの概要

豊岡市では、先日、豊岡の観光資源をプロモーションする動画を作成しました。

今回、WEBマーケティングチームは、動画広告配信専門のベンチャーGlassView社と連携しました。具体的には、GlassViewがアメリカなどの対象国に上記の動画を配信し、クリック後にVisitKinosakiのWEBサイトにユーザーが遷移してくるので、その受け皿(ランディングページ)を適切に作成し、「豊岡市に行きたいと思ってもらうこと」「VisitKinosakiで実際に予約してくれること」を目標にしたキャンペーン設計を実施しました。

キャンペーン設計に必要な「ブリーフィング」を設計

通常、キャンペーンを作成し実施する際には、様々な外部の専門家に協力を依頼することになります。例えば、デザインや記事のライティングを担当する専門家の方に、キャンペーンの意図を適切に伝える必要があります。今回の場合は、ランディングページを作成するhi5社のデザイナーさん、ライターさんに、そもそもこのキャンペーンの対象はどんな人で、何を伝えたいのか、どんな要素を盛り込む必要があるのか、を共有する必要がありました。

一般的には、「この広告は。こんな人に、こういう内容を伝えたいものです」という戦略を作成して共有します(広告業界では「ブリーフィング」と呼ばれます)。今回も、WEBマーケティングチームの全員で、動画で伝えたかった世界観を今一度言語化し、戦略を作成しました。

その内容が、こちらです。

全て、これまで豊岡市や豊岡観光イノベーションが実施したリサーチの結果を活用して作成しています。

それぞれについて、見て行きます。

Challenge: キャンペーン前後で期待する変化

Kinosaki? 何それ? から行ってみたいかも! に変える

ここはキャンペーンのそもそもの目的なので、実施者側で決めます。

WHO: ターゲット

日本へ観光する予定があり、日本の観光地に関心を持っていて、
日本のローカルさを体験したい人。

キャンペーンが対象とするひとです。
ポイントは「日本のローカルさを体験したい人」です。

米国のDMOであるBrandUSAが実施した「国を問わず観光に求めるニーズ」を分類した結果(セグメンテーションと呼ばれます)によれば、以下のものが挙げられています。

このうち、Localのセグメントを意訳すると「その土地にしかないものを求め、メジャーな観光地以外にも訪れたい」という人たちのことを指します(BrandUSAの文書では、 “Local trips are focused on whats special or unique for an area. Travelers will be looking for off the beaten path and destination-centric experience” と表現されています)。

豊岡観光イノベーションが2017年に米国で実施した調査によれば、米国で5年以内に海外旅行経験がある人のうち、45%程度はLocalに分類されます(もちろん、1人1人に対して「あなたはローカルです」と正確に分類できるものではなく、概ねこの傾向が強いひとがこの程度いる、ということです)。

重要なのは、こうした「ローカルさを体験したい」というニーズを持っている人が一定数いる、ということが定量的に確認できている点です。

Insight: 示唆

観光地化された外国人向けの混雑している場所より、日本人しかいない場所で、自分の国にはない日本独特の静かな風景を見れると感動がある

ここはもっとも難しい部分です。インサイトとはマーケットリサーチでよく使われる考え方ですが、捉えることはとても難しい概念です。私が説明するときは「ひとの行動の背景にある、購買のツボ」と説明をしています。いわゆる「ここを押すと購買につながる」というものです。

良いインサイトであればあるほど、「まぁそうだよね」というものになりますが、実はこの「まぁそうだよね」というインサイトを調査から導き出すのは決して簡単ではありません。

今回は、2017年度に豊岡市が実施したホジョセン社とのリサーチ結果を中心に活用しました。ホジョセン社のメンバーだけでなく、私や豊岡観光イノベーションのメンバーも、実際に城崎温泉に訪れている外国人にインタビューを実施しました。

その結果、得られたフィードバックの一部を要約すると、

・京都はひとが多く混雑していて、観光地化されているという印象を持っている
・城崎温泉は外国人がいないことが逆に評価をされている
・Localな体験を好むので、言葉が通じないことも楽しい体験
・日本に来た感じが大事なので、英語のサインが多いことも好まれない

というものでした。

このことを踏まえると、日本人しかいない場所で、日本独特の風景を見ると感動があり、逆に「ここに来ればそうした体験ができる」ということを動画やWEBページで伝えれば、来訪につながりやすいと判断しました。

What: 伝える内容

Kinosakiは、昔から変わらない、意図的に作られたものではない日本らしい生活が継承され続けていて、実際にそこで日々暮らしを営んでいる人たちと触れ合うことが出来て、静かで威厳がある歴史的な風景や、自然と共生する豊かな原風景を体験できて、日本らしい街の個性を体験できてうれしい場所です。

これまでのターゲットとインサイトを踏まえて、実際に伝える内容を整理しました。この内容は、動画を作成したディレクターの意図や背景に基づき、どんな要素がLocalのひとに刺さるのかを検証した内容を踏まえています。

また、この部分は実はさらに深く掘り下げていて、動画のなかでどの要素がどういった印象を持たれるのか、を詳しくリストアップしています。例えば、

・土間がある風景 -> 意図的に作られたものではない日本らしい生活が継承され続けている
・人々の笑顔 -> 日常の生活、安心・安全

というようなものです。

こうした分析を通じて「どういった写真や文書があると、伝えたい内容がWEBサイトで意図通りに伝わるか」を検証しています。

ブリーフィングを踏まえて、製作したランディングページ

これまでの分析結果やブリーフィングを踏まえて、実際に作成されたランディングページがこちらです。

https://visitkinosaki.com/campaign/

ここにも、クリエイターの発想だけでなく、これまでの検証やデータ分析による結果が随所にあります。

例えば、コピーとして使用した “Travel like a local” ですが、これは豊岡観光イノベーションが2017年に在米のアメリカ人に対して実施したインタビュー調査の結果に基づいています。インタビュー時にはいくつかのキャンペーンコンセプトを見せて「どう思うか?」を調査しましたが、その中で “travel like a local” という要素はLocalのニーズを持つ外国人旅行者にとって心地よい表現である、というフィードバックが得られています。

そのほか、実際に浴衣を着てまちを人が歩いていること、東京や京都の次に訪れる街であることなど、実際にインタビューでテストをして評価が高かった要素を織り込んでいます。

このように、調査と分析を重ねると、客観的なデータに基づいてキャンペーンを設計することが可能になります。

キャンペーンの結果は?

さて、では肝心のキャンペーンの結果はどうだったのでしょうか。

実はキャンペーンは(この原稿の執筆時点では)まだ始まったばかりで、結果を報告するほどの配信期間がまだ経過していません。

現時点では、キャンペーン開始以降のVisitKinosakiへの流入や予約は好調ですが、キャンペーンが終了した段階で結局どうだったのか?は、また改めてブログ記事で公開できればと思います。

結果は、続報を楽しみにお待ちください(WEBマーケチームも、数字をみながらキャンペーンの修正などを継続して行います)!

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